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愛ラブYOU

□ 白い雫 □

白い雫(あすか原案) 10

夏が過ぎ去り、秋が訪れた。

理恵は壁にかかったカレンダーの○印をつけた数字を見つめ、
深いため息をついた。

『もうすぐなのね、神さまってひどい・・・
私はまだ順也に思いを告げていないというのに』

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夏休みの最終日に両親から渡米の話を聞かされた。

父の仕事の関係で数年はアメリカで暮らさねばならないという。
理恵は一人で日本に残り、中 学 生 活だけはこのまま過ごしたいと懇願した。
が、中一なんてまだまだ子供だからと受け入れてはもらえなかった。
2学期が始まっても順也との関係は余所余所しいままだ。

『このまま、さよならなんてイヤ。・・思いだけは順也に告げよう』
両親は今週の土曜日、友人宅に招かれているとかで留守にすると言っていた。

「土曜日・・・順也を家に呼ぼう。そして、せめて思いだけは告げよう・・・」



土曜日、部活が終了後、部室から着替えを終えた順也をつかまえ、声をかけた。

「順也くん。これからよければ、家に来てもらえる?」

「これから?・・・別にいいけど」

「ありがとう。よかった・・・」
来てくれることに期待はしてなかったが予想に反して良い返事をもらえた。。
もしも、都合が悪いと断られたら、
誰に聞かれてもいい今この場で告白するつもりだった。

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帰宅中も順也との会話は弾まなかった。
問いかけに「ああ」とか「うん、そう」とかのつれない返事・・・
涙が出そうになった。

こんなにも順也が好きなのに、
こんなにも順也のそばにいるのに・・・

順也の心の中に私はいないの?・・・

告白して『ごめん、他に好きな子がいるんだ』と言われてもいい。
日本を離れる前に思いだけはきっちりと告げておきたい。
でないと私は前に進めない。
ずっと中1のまま虚しい人生を送ってしまいそうだもの。


「どうぞ、入って・・・」

「お邪魔しま~す」

順也を部屋に招きいれた。
ほんとはもっと別な形で順也を迎え入れたかった。

キョロキョロと部屋を眺める順也。

「へえ~、案外さっぱりしてるんだね」
そりゃそうだ。日本を離れる準備は着々と進んでいる。
本来なら、机の上にもベッドの脇にもかわいい小物たちで溢れかえっている。
が、今はもうその愛くるしい小物たちは引き出しの中へ収められている。

「とりあえず適当に座って」

「うん。それじゃあ」そう言って順也はベッドに腰掛けた。
私もさりげなく順也の隣に腰を下ろす。

「で、今日はなにか話しでもあんの?」
唐突に順也が聞いてきた。

「う、うん・・・あのね・・・」

順也が私を見てる。
久しぶりだなあ、こうして見つめられるの。
胸がキュンとなっちゃう。

告白しなきゃ・・・そしてお別れしなきゃ・・・



「順也くん・・・あなたが好き・・・・」

順也くん、ポカンとしている。

とたんに真っ赤になりながら、「僕も理恵ちゃんが好きだ。」って応えてくれた。
うれしい、うれしい、うれしい・・・・

ほんとなら、これが恋愛のスタートなのだが、理恵は数日後には日本を発ってしまう。
「ありがとう・・・ほんとにありがとう・・」
涙が知らず知らずのうちに頬を伝う。

順也くんは、両手を私の頬に添え、親指でやさしく涙を拭ってくれた。
そして、どちらからともなく唇を重ねた。
このまま時間が止まってほしい・・・
その思いも虚しく電話のベルが鳴り響いた。

「はい、あっ、お母さん?・・・
うん、大丈夫。・・・
うん。・・・・・はい。」
通話を終え受話器をもどす。

「お母さんから?」

「うん。予定を早めてもうすぐ帰ってくるって・・・」

「そうなんだ・・・じゃあ、遅くなるからそろそろ帰るね」
『まだ行かないで・・・もう少しここにいて・・・』心で思っているのに言葉が出ない。

順也がドアを開けて、「またね」と言って帰っていった。

バタンとドアが閉まる音が合図に涙が堰を切ったように流れだした。
「ううう・・・あああ・・・」涙が止まらない。
順也に思いが届いたというのに・・・

月曜日、理恵ちゃんは学校を欠席した。
日曜日もテニス部の休日練習を欠席していた。

風邪でも引いたんだろうか。
放課後、クラブをさぼって理恵ちゃんの家に寄ってみよう。

それにしてもホームルームかったるいなあ・・・
早く、終わってくれよ。

「連絡事項は以上ですが、ここでみんなにお知らせがあります」
なんだよ、お知らせって・・・
担任の吉岡先生が教室のドアを開け、「入ってらっしゃい」とか言っている。

教室に入ってきたのは、理恵ちゃんだった。
理恵ちゃん?もう下校する時間だよ。
いまごろ登校?大遅刻じゃん。

理恵ちゃんは教壇にあがり、深々とおじぎをした。

吉岡先生が話しはじめる。
「えー、川原理恵さんはお父さんの仕事の関係で
アメリカのニューヨークへ行かれることになりました。
2学期のはじめに先生の方に連絡があり、
先生は立花さんが渡米前にクラスでお別れ会をしようと提案したのですが、
本人の希望で転校のことは内緒にしてほしいとの事でしたので、
先生はこの事を内緒にしてきました。
なぜ内緒にしてほしかったのか本人からお話をしたいということでしたので、
最後に川原さんの口からみなさんにお話をしていただきます」

????吉岡なにバカなことを言ってんだよ。
僕と理恵ちゃんは恋愛をスタートさせたんだよ?
アメリカ?どこなんだよそれ、行ったこともないからピンとこないじゃん。
僕たちをドッキリにかけるんならもう少し考えて喋ったらどうなんだよ。

「みなさん・・・」
理恵ちゃんがいつものかわいい声で話し始めた。

「転校のこと黙っていてごめんなさい。
先生からお別れ会をしてちゃんとさよならをしてはどうですかと
何度もおっしゃっていただいたのですが・・・
どうしてもお別れとかさよならという言葉を言いたくなかったので今まで黙っていました。
本当はアメリカなんて遠いところへ行きたくありません。
でも、でも・・・」

理恵ちゃんは涙をポロポロこぼしながら話を続けた。

「・・この学校が大好きです。このクラスが大好きです。
そしてなにより・・・順也くん・・・大好きです・・・
みなさん、短い期間でしたがほんとうにお世話になりました。
・・・・行ってきます」

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先生がもういいですか?と理恵ちゃんに問いかける。
理恵ちゃんは「はい」と答えると先生と僕たちに、いや、僕に頭を下げた・・・

吉岡先生は「元気でがんばってもらうという気持ちをこめて、川原さんに拍手を送りましょう」と言った。
みんなの拍手を浴びて理恵ちゃんは教室をでていった。

僕は人目をはばからず泣いた。
涙が頬を流れ落ちて机のうえに水溜りをつくった。
かっこ悪いとかそんなの関係なかった。


・・・・・そして、僕の初恋は終わった。


第一部 完
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Information

Date:2018/06/19
Trackback:0
Comment:2
Thema:18禁・官能小説
Janre:アダルト

Comment

* 初恋

すること先に終わらせてから告白するのですね
初々しいのか、飛んでるのか微妙です
2018/06/20 【グレース】 URL #NbDLPsmo [編集] 

* Re: 初恋

コメントをありがとうございます
順也くん、里中先輩とはフェラやクンニをやり合う仲ですが本命の理恵ちゃんとはこれからというところでした

二人の恋の行方をお楽しみ下さいませ

2018/06/21 【ほーくん】 URL #- 

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